- Super Cheap Chic 「CLASSIC」 編 -  / SOCIAL SCULPTURE

 
 
だいぶ期間があいてしまいました、、、
 
理由は長いこと東京店の近くに
 
アトリエとして借りていた廃工場が
 
相続の関係で年明けに取り壊しとなり
 
移転先として秋川渓谷の母屋の隣に
 
仕事場を建設中だからです。
 
 
  
 
ヤギさん達は一足先に目の前の牧場に引っ越してきて
 
すぐに私達もと続きたいところなのですが、、、
 
 
 
 
先週に脚立から落ちて肋骨にヒビが入っていて休養中、
 
現場には仕事の合間を縫ってスタッフだけで行ってもらい
総出で建設作業をしています。
 
そして、久しぶりに時間が出来た私は
 
店番をしながらブログを書いています(笑)
 
 
 
さてさて
 
顧客様のところにはDMが届いている頃でしょうか? 
 
世間的には郵送料金の値上げをきっかけに
 
廃止の方向で進んでいくとは思うのですが
 
DMはDMで洋服を作るくらい思い入れを持って作っている為
 
続けられるうちは続けたいと思っています。
 
 
今回のDMは
 
ファッションの言いなりにならないで
 
自分自身を喜ばせる為に服を選ぼうよ!
 
という問いかけの
 
『 Super Cheap Chic 』
 
をテーマとした前回に被せて
 
 ヨーゼフ・ボイスが提唱した
  
『 社会彫刻 / SOCIAL SCULPTURE 』
 
をオマージュしてつくってみました。
 
*社会彫刻...その行動にその人自身の意識が含まれていることが重要で芋の皮をむく行為でさえ、意識的な活動であるのであるならば”芸術”である。全ての人間は芸術家にたりうる存在で創造力によって誰しも社会を変えられる、全体の幸福に寄与できる
 

  

Super Cheap Chic
 
四つ目は「CLASSIC」について、、、
   
 

合同展/ For Stockist Exhibition  に立っていて 

ファッション寄りのバイヤーさんにお会いすると

みなさま口を揃えたかのように

糸は何を使っていますか?希少ですか?

織機はシャトルですか?レピアですか?産地は?

パターンは平面ですか?立体ですか?縫製は、、、

などなど物の生産背景について尋ねられましたので

SNSの影響なのかな?

今はこういう物語り系が流行っているのだなと、、、

思い返すと2000年代にも

熱狂的信者を集めた某雑誌の影響で

同じような流れがあったなと、、、理解しました。 

一応、工芸ギャラリー等でも

展示をさせて頂いているので考えてしまうのは

陶芸の世界では同じ土から作られたものでも

1000円以下の物から1000万円以上の

物まで存在しているという事。

同じく洋服の世界でも

若かりしき頃に着ていた好きなバンドのTシャツは

きっと素材も縫製もプリントもサイズも

全く良くなかったと思いますが

 それを着ているだけで外に出かける事が

楽しみになった経験があり、

そういう側面も洋服の持つ魅力である事。

おそらく他のジャンルでも近しい事があると思いますが、

語れる生産背景の物語よりも

 その物がどの様な意識の中から生まれたか?

の方がずっとずっと大切で

その意識のズレを言葉で説明するのも

無粋に思いましたので

下記の4素材を全く同じ毛糸から作り

洋服を通して説明してみたのが「CLASSIC」編です。

- Medical Wool Socks -

- Special Touch Wool 天竺 -

- Special Touch Woo ポンチ -

- Car Sheet -

これらは同じ原材料から作られたものですが

見ての通り加えられた意識(目的 、創造 、行為 )

の違いによって

全く異なるアプローチへと繋がっています。

共通認識できる言葉や情報で測れない

”意識的”なものは

見ようとしなければ見えてこないので

価値として認められにくくなっているようですが、

物の成り立ちに最も作用しているのはそこです。

目の前の物にどの様な意識が含まれているのか?

認識する事の方が

物を知って好きになる上では

重要だという事を

ウールを使って表現したつもりです。

 

ついでにウールの歴史をさかのぼると

紀元前から人の暮らしの中で重宝されていたそうで

それはウールという素材が身近で尚且つ

断熱効果、吸湿効果、撥水効果、消臭効果

といった自然機能が

長年の気温・環境変化の下でも生活に寄り添い、

日々を快適に過ごす為の手助けを

続けてくれていたからだと思います。


クラシカルな物やスタイルというものは

俗にいう希少で特別で困難な一部の人のものなどではなく、

身近で親しみやすいものであり

無理がなく継続性があるもの

100年残そうと意気込んだものではなく、

その時々で必要なものの積み重ねが結果的に残り

成長をしてきたものなのだと思います。

私達はそういう物事を秋川渓谷で

さりげなく作っていけたらなと願っています。

 怪我には気をつけながらね、、、

 

 

次回は
Super Cheap Chic 「WRAPPINGS」編 について