- Super Cheap Chic 「ETHNIC」編 -

 

在廊と綿花栽培と改装工事と来年の生地発注と  
盛りだくさんで更新が遅くなりました
m(_ _)m
 
Super Cheap Chic
 
二つ目は「ETHNIC」について、、、
  
ムカシ ムカシ
 
ヒムカシを始める前の二昔前
 
色々なパターン事務所に出入りし学びながら 
 
まだ野良のパタンナーとして仕事をしていた頃
 
民族服はデザインソースとして
 
メーカーから持ち込まれることも多く
 
あらゆる国のそれらを見ていました。
 
 
 
  
 
アジア、中近東、アフリカ地方の
 
少数民族が作って着ている服の
 
香りを残しながらも
 
一般的な洋服にも合わせやすいように
 
解釈して欲しい!
 
というのが
 
だいたいどのメーカーからも求められる
 
要望でしたので
 
 
天然素材、天然染色、手織り布
×
平面的なカッティングライン
特徴的な襟やポケットのディテール 
II
現代版民族服
 
 
ザックリこのような計算式で
 
見て解りやすく答えてみてはいましたが
 
それが
 
どんなに完成度が高くとも
 
どれだけ売れていたとしても
 
その国で暮らしていない他の国のデザイナーによって
 
適当にコマーシャル化された現代版民族服には
 
本物の民族衣装が持っていた 
 
100年、1000年と
 
土着の民によって積み重ねられてきたであろう
 
生命力のようなものを全く感じることができず
 
一見、その雰囲気から流行からは距離が置かれた
 
アンチファッションのように見えてしまうけれど 
 
これはこれでファッションだなと当時理解しました。
 
 
 
そもそも洋服もヨーロッパの民族服じゃない!?  
 
という素朴な疑問はここでは置いといて(笑)
 
着物や民族服の構造がシンプルで直線的なのは
 
捨てる生地を無くすよう裁断都合を考えた構造や
 
なるべく生地にハサミを入れず縫製の手間を暫く
  
意識が細部まで行き渡っているいるところに
 
由来していると私の場合は考えていて
 
目に見えている特徴的なディテールを
 
いくらデザインに組み込んでも
 
それらが持っている本質に近付くことはない。
 
例えばシャツやジャケットの様な
 
洋服に代表されるアイテムであろうと
 
裁断都合がよく縫製都合がよく
 
無駄の無い工程で一つの服が仕上がるように
 
川上から川下までを考えてデザインすれば
 
自然と民族服のような香りがしてくるのです。
  
 
 
 
 
かれこれ5年くらい使っている
 
オーガンジーシルクリネンキュプラ素材は
 
清涼感に溢れ上品な透け感がとても気に入っている。
 
この素材を使ったシリーズの洋服はよく見ると
 
インドの刺繍布にあるようなスパンコールが
 
袋状に作られた部分で動き回っています。
 
元々は何も入れていなかったのですが
 
あまりにも透ける透けると言われたので
 
大きめのタックや二重仕立てで袋状の部分を作って
 
そこにスパンコールを入れたところ
 
『スパンコールが動いて綺麗ね!』
 
と透けるとは誰も言わなくなったという話です。
 
透けている事実は変わりないのですがね、、
 
 
  
 
で結局、ここで何が伝えたかったかというと
 
目に見えるものはそれまでのものでしかなく
 
目には見えない中身が大事!
 
素材や仕様、ディテールのルーツなんて関係なく
 
本質を追求するような計算式で
 
物を作るよう心がけないようでは
 
民族服のように土着の人に親しまれる物に
 
繋がることはないということです。
 

次回は

Super Cheap Chic 「MIX」編 について

 

 

7月は京都のお店を開けるのと
その後にhow to liveの勝屋さんが
京都のお店を借りて展示するみたいなので
つまりまたまた期間があきそうです
m(_ _)m