- Super Cheap Chic 「WRAPPINGS」編 -
物から放たれる空気と物から広がる人間関係は
その物がどのような過程でどのような想いで
作られてきたかという事が大きく関係してきます。
ビジネスを成り立たせていく為には
優先して市場や売上を計算に入れ考えることは
間違いない事だと理解はしていますが、、、
それでもせっかく物を作り表現するのであれば
他人の記憶に残るような物を作りたいと思うのが
クリエイターの本能です。
世間の常識的な感覚で覗いたら
私達の製作活動なんてものは社会全体の中で比較して
小さくで現実的ではない過剰な欲求としてしか
評価が得られなくて当たり前だと思います、、、
逆の立場でしたら私もきっとそう思います。
それでも私達が向かっている興味の対象は確実に
商業主義の範囲で納められた物などではなく
そこからハミ出し押し出された
まるでアニメーションの世界のような
逸脱した感覚や技術をベースに
構築された物へと移っているように感じています。
その背中を後押ししているのは
そこでしか出逢えない人達がいて
そこでしか味わえない感動があるのを
知っているからです。
この流れで洋服の構築について
原料を収穫して
紡績して
染色して
製織して
デザインして
型紙を起して
縫製して
スタイリングして
・
・
・
を洋服を作る上での過程としてざっくりと見た時に
アパレル産業は分業制で成り立っており、
一般的なデザイナーが
意図を含んで直接的に関われている過程
というのはごく一部でしかないことが理解出来ます。
関われていない他の部分にはデザイナーとは別の
第三者の意図が多分に含まれていて、
中には専門的で私達には理解が及ばない
圧倒的な技術や知識による意図も存在しています。
私達の場合はその上に重ねるように
デザインを加えて見せるよりも、既に含まれているであろう
意図を引き出して見せた方が関わっている割合的に
魅力的なものが出来ると考えています。
だから洋服をデザインするときは
なるべくデザインをしないように心がけ
素材(生地)をよくよく観察し
持っている風合いや特徴に
+ - ÷ ×
どの意図もなるべく加えることをしない。
生地は柔軟剤等の薬品加工はしない
要素(パーツ数)は限りなく少なくして切らない
縫製は仕立てやすい仕様で手間をかけない
” 素材そのまま ”
一枚布で身体を包み込んでいるかのような
着用感と立体感の洋服が理想的です。